中敷きが少し前から取れていて、履くと気持ち悪かったブーツ。
ボンドはあるかと聞くとどうしたのと言うので経緯を話すと、今回履いてきたやつ?と言いながら雑多に色々入った箱からすぐに瞬間接着剤を見つけてきて、でもそれを私に渡すのではなくそのまま玄関に向かった。
あーこれねと言いながらそこに座り、真剣な表情で裏面に瞬着をつけ中敷きを貼り直すその姿はどこか、亡くなったじいちゃんに似てる気がした。
嬉しかった。
接着剤を私に渡さず玄関に向かったことも、剥がれたブーツの中敷きを直してくれたことも、それがどこかじいちゃんに似てたことも。
今日もがんばろと言うと、がんばろっかと言って微笑んだ。
週始まりの喧騒。雑踏。
少し目配せをして別れる。
じわじわずっとあたたかいような気持ちがずっとある。
これは安心感だなと思う。